
🍷 7月|香りとワインの相性
──香りの強い食材がワインの香りとどう影響し合うか──
🔰 この回のテーマ
ワインの楽しみの大きな要素の一つが「香り」です。
そして料理にも、バジル、ニンニク、シソ、スパイスなど、強い香りを持つ食材が数多く存在します。
これらの香りは、ワインの香りと調和することもあれば、競合して互いを打ち消し合うこともあります。
7月は、香りの強い食材を使った料理とワインの相性を、嗅覚を中心に検証していきます。
🍽 実験セットの準備
🍴 用意する料理(3種類)
-
バジルの冷製パスタ(オリーブオイル・塩・ニンニク)
└ ハーブの青い香りが主役。 -
ニンニクのアヒージョ(オリーブオイル・塩・唐辛子)
└ ニンニクの香ばしさと辛味のアクセント。 -
大葉とミョウガの和風サラダ(ポン酢・ごま油)
└ 日本のハーブの爽やかな香り。
📝 ポイント:香りを際立たせるため、強い調味料(醤油、味噌など)は控えめにし、素材の香りを主役にします。
🍷 用意するワイン(3種類)
-
ヴィオニエ(白・華やかな花香)
└ 白い花やアプリコットの香りが特徴的。香草との相性を検証。 -
ピノ・ノワール(赤・繊細な香り)
└ 赤系果実と土のニュアンス。香りの複雑性が期待される。 -
ゲヴュルツトラミネール(白・スパイシー)
└ ライチやバラの香りにスパイス感。香りの強い料理に対応。
📦 おすすめワイン
香りの強い料理との相性実験に最適なワインをご紹介します:
おすすめ商品
楽天市場でゲヴュルツトラミネールを探す
🧪 テイスティング手順
- 料理単体で、香りのタイプと広がり方(立ち上がる香り/口中で広がる香り)を確認。
- ワイン単体で香りを取り、飲み込んだあとも残る香りの余韻を意識。
- ペアリングの際は、「どちらの香りが主張しすぎたか?」に注目して試す。
📝 ポイント:香りの方向性が似ているか、補完関係にあるか、または"邪魔をし合っていないか"が評価基準になります。
💬 解説と考察
組み合わせ | よくある印象 | 理由 |
---|---|---|
バジル冷製パスタ × ヴィオニエ | 香りがなじみ、ふくらみが出る | ハーブの青さとワインの白い花・果実香が共鳴。オイリー感も合う。 |
バジル冷製パスタ × ピノ・ノワール | 香りが競合し、やや違和感 | 赤系果実の香りとバジルの青い香りが方向性を異にする。 |
ニンニクアヒージョ × ゲヴュルツトラミネール | スパイシーで一体感あり | ワインのスパイス感とニンニクの香ばしさが方向性を同じくする。 |
ニンニクアヒージョ × ヴィオニエ | ワインの華やかさが際立つ | 料理の香ばしさに対して、ワインの花香が上品な対比を生む。 |
大葉ミョウガサラダ × ピノ・ノワール | 清涼感と土の香りが調和 | 和ハーブの爽やかさとピノの土っぽさが意外な好相性。 |
大葉ミョウガサラダ × ゲヴュルツトラミネール | 香りが強すぎて料理が負ける | ワインの華やかさが和の繊細な香りを圧倒してしまう。 |
✅ 香りの相性は「似た方向性」または「補完関係」が成功の鍵。
互いが主張しすぎず、どちらかが引き立て役に回ることで調和が生まれます。
🍳 レシピ例:バジルの冷製パスタ
材料(2人分)
- パスタ(細めのもの):200g
- フレッシュバジル:20枚程度
- ニンニク:1片
- オリーブオイル:大さじ3
- 塩:適量
- 黒胡椒:少々
作り方
- パスタを茹でて冷水で締める。
- ニンニクをみじん切りにし、オリーブオイルと混ぜる。
- バジルを手でちぎり、パスタと和える。
- 塩・胡椒で味を調える。
📝 バジルの香りを最大限に活かすため、加熱は最小限に抑えます。
🔁 応用ワーク(2週間の活用)
ワイン | 応用料理例 |
---|---|
ヴィオニエ | ハーブサラダ、白身魚のハーブ焼き、花椒料理 |
ピノ・ノワール | キノコ料理、トリュフ風味、土の香りの根菜料理 |
ゲヴュルツトラミネール | エスニック料理、スパイス炒め、アジアンハーブ料理 |
🗝 香りの相性は個人差が大きい要素。
自分の嗅覚を信じて、心地よいと感じる組み合わせを見つけることが大切です。
✍️ 記録シート(巻末)
- 香りが調和したと感じた組み合わせは?
- 香りが競合して違和感があった組み合わせは?
- ワインの香りが料理によってどう変化したか?
- 自分の好みの香りの方向性は?
🔜 次回予告:8月|魚と赤ワインの意外な関係
8月は「魚と赤ワインの意外な関係」がテーマです。
「魚には白ワイン」という定説を覆し、魚料理に赤ワインを合わせる条件や調理法を探ります。
**「なぜ魚に赤が合わないのか」「どうすれば合うのか」**を科学的に検証する回です。お楽しみに。